ほかの班が食べ始めてる中、棗くんがなかなか座らないので私たちの班はまだ食べれない。
班員が皆ちゃんと座って「いただきます」をしてからじゃないといけないらしい。
…小学生かよってね。
ってそんなことどうでもよくて!
棗くんはどうして座らないの?
崎本くんの隣が嫌ならそう言えばいいのに…
たぶん優里が崎本くんのほう行ってくれるだろうし。
「棗くん?座らないの?」
「そうよ、新井くん。新井くんが座んなきゃ食べらんないわ」
「ごめ、ん…ちょっと…頭が…」
「へ、頭…?」
ま、まさか!
棗くんのおデコに手を当てると、すっごい熱い。
やっぱ熱あったんじゃん!
「大丈夫!?すごい熱だよ!?」
「あ?熱?」
「え、まさか気付かなかったの?」
「あー、なんとなく分かってたけど…」
そこまで言ってダルそうに目を瞑り、私にもたれかかってきた。
「ちょ、棗くん?大丈夫?」
聞こえるのは荒い息だけ。
「崎本くん!部屋まで運んでくれる?」
「了解!」
「優里!私ちょっと先生に知らせてくる!」
「うん、分かった」
優里にそう言い、先生たちが集まっているところへ向かった。

