「優里ー!」


崎本くんが、これまた大きな声で優里の名前を呼び、まるで飼い主の元へ駆け寄ってくる犬のように走ってきた。


「早いね、優里たち」


「そう?普通じゃない?」


そういえば…優里が崎本くんに告白した時、っていうかしてから1週間くらい崎本くんが上にいたのに、今じゃ全く逆だよね。


「優里ー、まだ今日はキス1回もしてないねー」


甘えるような声で言う崎本くん。


!?なんですって!?

1日1回キスするっていうそういう何かがあるの!?そうなの!?


「こ、声が大きいっ」


真っ赤になりながらキョロキョロし、崎本くんの背中をバシバシ叩く。



あぁ…恋ですネ……


お母さんのように暖かい目で見守っていると、誰かに肩を叩かれた。