エレベーターの中でもずっと沈黙。
はぁ、どうして何もしゃべらないんだろ。
「あの、棗くん?」
…。
無視ですか。
「おーい?」
「…あ、ごめん。何?」
「着いたよ?」
「…おう」
棗くん、なんかぼーっとしてる…
具合でも悪いのかな?
だったら無理させないほうがいいよね…
棗くんが先に降りたので、後ろを歩いていたら、いつの間にか部屋についていた。
「あれ?棗くん部屋番号知ってるの?」
「話してんのが聞こえた」
「そっか」
パーカーのポッケにいれていた鍵を出し、開ける。
「入るぞ」
「ど、どうぞ」
なんだろ、自分の部屋にいれるみたいでちょっと緊張する…
