「あ、エレベーター上に行っちゃった」
「待つか」
…それから流れる沈黙。
なんか、気まずいな。
「どんなのつけてんだろ」
右手で顔を覆いながら、ボソッと呟いた。
「ん?何か言った?」
「気にすんな」
「…うん」
チンッ。
今度は意外と早くエレベーターが来た。
中に人は乗ってない。
「早く乗れば?」
「あ、うん…」
なんでこんなに緊張しなきゃならないんだろ。
あ、そうだ、あれだよね。
私、スタイル悪いから…ってハッ!
そうだ、私スタイル悪いんだ!
こんな姿見せて、棗くんに嫌われちゃったらどうしよう…

