「はい、ふくらんだけど」
…え?
どういうことなの…
「ぷっ。あんた、ちゃんと息してる?」
…むっ。息くらいしてるに決まってるじゃん!
優里ってば浮き輪ふくらませたぐらいでいい気になっちゃって!
私だってもうちょっと頑張ればふくらませれたもん!
まぁ、諦めたのは私だけど…
「あー!優里たちいたー!」
遠くの方からものすごいスピードで走ってくる崎本くん。
と、その後ろでゆっくりだるそうに歩く棗くん。
「…何よ」
「はー疲れた」
そりゃ崎本くんが全力疾走並みのスピードで走ってくるからでしょうが…
「ていうか勝手にどっか行くなよな」
「別にいいでしょ。あたしがどこで何してようが、あんたには関係ない」
「は…?あんた?優里怒ってんの?」
「うるさい。あっち行って」
「ちょ、優里…」
「理衣奈、部屋戻ろ」
「…へ?」
「いいから。帰ろ」
「でも…せっかく海来たんだし…」
「じゃぁあたしだけ帰る。あたしの分も楽しんで」
「ちょ、待って!優里!!」
優里と一緒に海入るために新しい水着買ったのに…
これじゃあ意味ないよ…

