「はい、着いたわよ」
まだ一緒にいたい、というのを目で表現してみた。いわゆるアイコンタクトっていうやつ?
「何よ、その目」
「優里が彼氏だったらよかったのに…」
「はいはい、また明日ね。家着いたらメールするわ。ってすぐそこだけど」
「はーい!待ってるねー!」
フッと笑うと、家の方向へ歩いていった。
小さくなっていく背中に、手を振り続ける私…
ドラマみたい!
「…早く家に入りなさいよ」
「へ?」
バッと振り返ると、苦笑を浮かべるお姉ちゃんがいた。
「ったく、誰に手振ってんだか。あ…」
「あ?」
「棗くんか。そうかそうか」
「違いますーだ!愛しの優里に…キャッ!」
サヨウナラ、と言わんばかりに家の中へ入っていってしまった。
ひどいわぁ…お姉ちゃんったらひどいわぁ…

