…よく考えたら、これ!いいチャンスじゃん!


「分かりました!」


崎本くんなんかにぜーったい優里は渡さないんだから!

夏合宿だって、ほかの行事だって優里とずっと一緒にいてやるもんね!!


「えーと、私たちのせいで遅れちゃってごめんなさい!このことはもう、これでもかってほど反省してます!」


チラッとにゃんこ先生を見てみる。

すると、うんうん、と頷いていた。OKって意味かな?


「と、もう1つ!崎本くん!あなたに言いたいことがあります!」


「はぁ!?俺!?」


ふふふ…そりゃ驚くわよね…


だけどこんなことで驚いてもらってちゃ困るわ!


「優里は!絶対に渡さないんだからね!」


ビシッと指を立て、崎本くんを睨む。


「…は?」


「ちょ、何言ってんのよ!」


どうよ!負けたでしょ!さぁ、優里を私に…


「なーに言ってんの。優里は俺のだって」


そう言いながら、ツカツカと前に出てくる崎本くん。


「ふん!私のだって言ってるでしょ!」


「理衣奈ちゃんには棗が…」


「今は棗くんのこと関係ない!」


どうしてこう、いつもいつも棗くんを出すんだか。

私が棗くんに弱いって言いたいの?そうなの?


「あのねぇ、夏合宿で私と優里は同じ班なの!たとえ違っても同じ班にしてやるわ!私と優里は同じベッドで寝れるの!いや、布団?なんのためらいもなく一緒にお風呂も入れるし、トイレだって一緒にいけるし…崎本くんにこんなことできないでしょ!」


言い終わってから、固まる崎本くん。


どうよ!言い返せないでしょ!