「えへへぇ、暑いからちょっと涼んでるのぉ」
「お前、何飲んだ?」
ちょっと貸せと、私が持っていた缶を取り、大きなため息をついた。
「酒飲んでんじゃねぇよ…」
「んー?なぁにぃ?」
「あー、なんでもねぇ。んなとこに顔つっこんでねぇで、ベッドいくぞ。エアコンつけてやるから」
んー、でも動きたくなぁい……
「ったく…」
急に体が浮いたと思うと、いつの間にかお姫様抱っこされていた。
あ、棗くんと顔近い…
ずっと見ていたから、私の視線に気づいたのか、なんだよ、と不機嫌そうに言った。
「ちゅう」
「は?」
私をベッドに降ろすと、エアコンをつけてくれた。
「ちゅうしてってゆってんの!」
そう言うと、勢いよく振り返った。

