《も、もしもし…》
《あー、俺だけど》
俺…?
ま、まさかオレオレ詐欺!?
《ごめんなさい、間に合ってます》
《は?何がだよ。理衣奈、わかんねぇ?》
ん?
ちょっと待てよ…
まさか、とは思うけど……
この声は…
《棗くん!?》
驚きのあまり、大声を出してしまった。
《うっせぇな。棗くんですけど何か》
な、なんで棗くんが私の番号知ってるの!?
《あー、上村に教えてもらった》
私が考え言えることが分かったのか、そう言った。
上村…って優里!?
何勝手に教えてんのよ!
《そっか。何かあった?》
…って私は何を聞いているんだ。
特に用ないよね?
切ってもいいはずなのに。
もっと話したいって思うなんて。
私やっぱりおかしいのかも。

