嘘でしょ……
《だったら私いかない!》
《はぁ!?なんでよ!?》
《なんでって…》
行きたくないからに決まってるじゃん!
とはさすがに言えないよね…
《なんとなく…です》
《新井くんがいるから?》
《ち、違うよ!》
いきなり核心をつかれたので、思わず噛んでしまった。
《ははーん。理衣奈ってわっかりやすー》
《はぁ!?》
《10時半に駅前ね?来なかったら…うふふっ》
優里の不気味な笑いに背筋がゾクゾクした。
これは行かなきゃいけないか…
《うー、分かったよー…》
《じゃ、ばいばーい!》
はぁ、とため息をつき、携帯を閉じる。
そのままリビングに戻ろうとしたら、ドアの隙間に顔を挟んでこちらの様子をうかがっているお姉ちゃんと安那ちゃんがいた。

