「泣いたら離れてやる」


「な、なんで泣かなきゃいけないの?おかしいでしょ?」


「俺さ、ドSなんだよね」


そう言うと、ニヤリと笑った。

それって…普通、自分で言う…?


「そうなんだ。でも私には関係ないでしょ?だから、早く離れて」


「…チッ」


し、舌打ち!?

でもめげないもんね!!


「あー、もういい。ばいばい」


…諦め、た?
ていうか、呆れられた…?

棗くんは、私の頭の横からスッと手を離し、屋上から出て行ってしまった。


そんなに泣いてほしかったの?


棗くん…変わってるなぁ…