ダンッと私の頭の横に両手をつくと


「誰が可愛いって?」


と言った。


「え…っと……」


「理衣奈のくせによく言うよ」


相変わらず私を見下ろす棗くん。

だから自然と見上げる形になってしまうのだ。


「…んな顔すんなバカ」


むっ!さっきからバカバカ言いすぎじゃない!?

…なんて言えるわけないので、ただただ睨んでいた。


「お前ほんと鈍感。バカ。天然」


「な、何よ!」


そんなことばっか言ってるけど、どこか楽しそう。

まるで私の反応を楽しんでる…みたいな。


「離れてよ」


「ヤダ」


「はーなーれーてー」


「泣けよ」


「…はい?」


会話…
噛みあってませんよね?


どこをどうしたら私が泣くということになるの?