「呼び出し」


「・・・大丈夫・・・?」


「大丈夫。っていうか、そんなふうに言ったら、まるであたしが婚約者から暴行受けてるみたいじゃん」


「あっ・・・ごめん」


「いいよ!・・・まっ、しょうがないよね・・・この世界に生まれてきてしまったんだから・・・・」


婚約・・・という話は、この世界ではそう珍しくもない話。


「でも・・玲奈は・・・それでいいの・・・・?だって・・・」


玲奈は・・・・。


「いいの・・・。あたしは・・・あの2人が幸せになってくれるだけで・・・十分」


そう言った玲奈の顔は・・・少し悲しそうな顔をしていた。



「・・玲奈・・・」


「だから、そんな心配しなくていいよ!!あたしは、大丈夫だから」


そう言った玲奈の顔は・・・無理して笑っているように見えた。


「うん・・」


少し、あたしたちの間に沈黙がただよう。


「あっ!そうえいば、凛に教えてなかったっけ?あたしの婚約者」


最初に沈黙を破ったのは、玲奈だった。


「う、うん」


そういえば、あたし、玲奈の婚約者知らない・・・!