「あっ・・・・」


ふと、椅子の近くにあった小さな棚の上にある写真たてを見る。



この写真・・・・。



「勝手に、人の婚約者決めといて、普通、その人の好きだった人の写真置いておく?」



あたしは、そう言いながらその写真たてを手にとる。



写真たての写真は・・・・・。



あたしと圭が2人で写っている写真。



「懐かしい・・・・」



この写真・・・・。


たしか、お祭りのときに撮った写真だよね・・・・。



そう・・・。


圭が、亡くなるほんの数時間前に撮った写真・・・・。