思い出せば










二人が両想いなのは事実で確実なのに


まだ幼い二人には
未来が大きな障害であったのだ



大人になってみて
思うのは


……呆気なさ



結局、何を犠牲にしてもしなくても


大人にはなる
ならなければならない




確かに将来は大事

教師の俺が
この意見を覆すことは許されない




でも

青春時代の重要性と儚さを


この二人は軽視しすぎるのだ





――俺にメリットなんてない

でも顔を背けることはできなかった