「やめろよ」 櫻庭は自嘲的に笑った 昨日とは違う色で 「……何もしてないわ」 だって何もしていない 『バンッ』 櫻庭の手が私の顔の横をかすめ 壁に叩き付けられた 「……あいつのこと…考えんな」 櫻庭は小さく漏らした でもこの冷たい空間では 聞き漏らすことはない 「…櫻庭!」 櫻庭はこちらの顔を一度も見ず 廊下を抜けて部屋の扉を開けた 彼はどんどん私から遠退く ……これが昨日選んだ結果だろう??