櫻庭は腕をほどいた その指が頬をなぞるのは 以前よりも心地好く せつなかった ――― ――― そう 二人はまだ愛し合っている お互いはお互いを愛するのに 思えば思う程 近付くことは許されない それが解るから 彼の顔は悲しみをたたえているのだ