そんなことはどうだっていい






「いっぱいいるって??」


優に“可愛い”と言う男







「沢山いるわ」

「本当かよ」


「私を見た人は絶対ね」

「どうだか」



「貴方だって彼女に言ったわ」







俺は勢いを失った声に顔を上げた


俺はその表情に力が無いのに
いささか焦りを覚えずにはいられない








「美城ーっ」


遠くから優を呼ぶ声


だんだん近付く声





「あ、いた」



その声の主は優を視界に捉えた






「……そういうことかよ」