「優」

何度も何度も
甘い声が私を呼ぶ



彼の唇はまた首筋へ移動し
ゆっくりと更に下っていく



彼の指が頬をなぞり
髪を掻き上げ

背中にまわる



少しだけの解放感と
彼の声とキスは気分を高揚させた




「……恥ずかしいわ…」

私が顔を背けたのを他所に
彼は上体をお越して真剣に私を見た




「綺麗だよ」

そう言ってまた唇にキスをする

甘くて深い、優しいキス



目を閉じずにはいられなかった





「……っ…」
「………ん…」


そっと唇が離れる



「……優」


櫻庭は一度こちらを見ると
目を伏せた



「……櫻庭??」











―――



「……やっぱり…できない…」




―――



―――