ニヤニヤしながら私を名字で呼んだ


「お久し振りです」



「いやいや元気そうでよかったよ!(笑)心配だったんだから」



ニヤニヤからニコリと表情を変えて、私を覗き込んだ




「そんな、心配なんて…」


彼女さんがいるならそういう事考えたら駄目ですよ



そう言おうとしてやめた



口だけだとわかっていても、少し嬉しがってる自分がいた



「家、近いの?」



下校中だったため、そう聞かれた



まだあと30分は歩き続けなければならない所にいた



「遠いですよ。まだまだ頑張って歩かなきゃですね」



そう言うと 櫻木先輩は口を尖らせて、


「なーんだ」



と呟いた