「今日は何か良いことあったの? にやけてるけど」



帰り道に櫻木先輩に言われた




詩音とはもう帰らなくなっていた




途中で他の女の子が来て詩音と話をしたりする事もあったから、私から断った




先輩がいてくれたから、寂しいとは思わなかった



「何でもないです。先輩、高校決めましたか?」



授業もあまり真面目に受けてないみたいだし、テストの点も当然良くないみたいで、おまけに口ピアスだから高校に行くのかどうか分からなかった



「んー…俺が入れると思う?」



顔を覗き込まれた


「入れるところもあるんじゃないですかね?」



困りながら答えると、



「一応出といた方がいいよね。就職とかも高卒以上だしさ」



「そうですね」



「来週で卒業とか早いなぁ」



先輩は軽く溜め息を吐きながら言った




先輩達がいない学校なんて来る意味ない



「寂しくなりますね」



「花優愛ちゃんは俺がいないとダメだもんね?」


ニヤリと笑いながら言う先輩に大きく頷いて笑った



先輩がいない二年間、私は学校で笑って過ごせるのだろうか