昔から知らないうちに嫌われていたりする人間だった


自分では何が悪いのか気づけないから、そのまま引っ張って今でもそうだった


女の子の世界は死ぬほど難しいと思った


嫌われた時の対処法を知っていたら苦労は無いんだろうけど、多分、対処法はないと思う


そんな事も考えて、ばいばい先輩に謝らないと、なんて事も考えて


私の頭の中は人間関係についてでいっぱいだった


ばいばい先輩に謝るのはいいけど、その先はどうなるのだろう



頭が痛くて教室を抜けた


声を出さないように泣いた


口に手を当てて、涙を流しっぱなしで歩いた


授業をサボっている不良っぽい子達が 「大丈夫?」 と私に声をかけた


その辺の女の子たちよりも、その子達の方が優しかった


深く頷きながら通りすぎて、中庭に行った



誰も居ない


ここに来たら会えると思ったのに


ばいばい先輩は中庭で、櫻木先輩は保健室のイメージだった


誰もいないことを再確認して、声をあげて泣いた


彼氏なんていらない、お友達が欲しかった





「相変わらずの泣き虫っぷりだねぇ(笑)…珍しく声まで出して」



声がする方を向くと、ばいばい先輩がいた


私と距離をとってタバコを吸って


ふーっと白い息を吐きながら笑っていた


そのあとに2、3口吸ってから、自分のものであろう携帯灰皿にタバコを押し付けた


恥ずかしすぎて顔が赤くなったのがわかった


ばいばい先輩は何もなかったかのように、私の隣に腰掛けた



顔が赤くなっても涙は止まらなくて、何故かばいばい先輩はこちらをガン見しているから俯くしかなかった



「ごめんね」

 
そう言ってから、先輩は立ち上がって中庭から出ていった