車内で明るく振る舞っていたものの、窓を通して知っているコンビニが目に入ると、気分が沈んだ



もう少しで終わってしまうなんて



まだ連絡とれるじゃんっていうのは別の事で、家に帰るのが嫌だった



先輩の家はいろんな花の匂いやオシャレなキャンドルの匂いがするのに、私の家は煙草の臭いが壁にまで染み付いていた



元の白い壁紙はどこへやら



リビングの壁紙は薄く黄ばんでいた




「また来てね、花優愛ちゃん」



先輩の声でぼーっとしていた事に気付いた




「ありがとうございます。是非うちにも。また連絡しますね」



ドアを閉めて玄関の前に立って小さく手を振った



先輩とおじいちゃんが同時に手を振った




少しだけ、笑顔になった自分がいた