数秒経ってから、先輩はこちらを向いて、
「ごめん、渡したい物、もう貰ってたね」
夢子さんから貰ったあの箱のことだろう
カバンの中に入ってる筈だ
「…ご飯食べに行こうか」
私の返事を聞かず、先輩はゆっくりと歩き出した
どうしたらいいんだろう
甘ったるい現実逃避ドラマのように抱き着いてごめんなさいと言うべき?
馬鹿みたいに他愛もないことを喋ってみる?
黙ってても苦しいし
…かといって話題は特にない
5分弱かかる廊下に、軽く憎しみを覚えながら考えた
喋ろう
「先輩」
「ん?」
『ニャア』
「…猫ちゃん飼ってるんですか?」
いきなり前方から子猫が出てきた
「いや、飼ってないよ。…何でいるんだろ…」
せっかく勇気を出して喋ろうと思ったら、可愛らしい子猫に全てをとられた
「ごめん、渡したい物、もう貰ってたね」
夢子さんから貰ったあの箱のことだろう
カバンの中に入ってる筈だ
「…ご飯食べに行こうか」
私の返事を聞かず、先輩はゆっくりと歩き出した
どうしたらいいんだろう
甘ったるい現実逃避ドラマのように抱き着いてごめんなさいと言うべき?
馬鹿みたいに他愛もないことを喋ってみる?
黙ってても苦しいし
…かといって話題は特にない
5分弱かかる廊下に、軽く憎しみを覚えながら考えた
喋ろう
「先輩」
「ん?」
『ニャア』
「…猫ちゃん飼ってるんですか?」
いきなり前方から子猫が出てきた
「いや、飼ってないよ。…何でいるんだろ…」
せっかく勇気を出して喋ろうと思ったら、可愛らしい子猫に全てをとられた
