ふふふ、と笑って先輩を見れば、頬杖をついてこちらを見ている



下を向けば、先輩の手のひらが頬に触れた



ゆっくりとさらりと撫でて、また両手で頬杖をついた



「…そんなに優しくしなくてもいいのに、」



声が震えた



「…電話の件は、何も無いですから大丈夫ですよ、本当に。ありがとうございます」



「…っ……そっか、俺の勘違いか。笑っちゃうよね」



何か言おうとしたのをやめて、悲しそうに笑った


苦しくなった




「そうだ。貰って欲しいのがあるんだー」



無理に明るく振る舞おうとする先輩が、悲しかった



なんでこんなクズの為に先輩が頑張らなきゃいけないんだろう



棚をゴソゴソ漁っている先輩に近付いて、服の裾を引っ張った



何かを言おうとした訳では無かったけど、何故か動いていた