着替えを手伝って貰っている間、夢子さんは先輩の話をした




「秋頃かしらね。花優愛ちゃんの話を初めて聞いたのは。…保健室で眼帯してる女の子がいたよって。それから、俺のせいで怪我したとか、今日喋ったよとか、一緒に帰って家を知ったんだとか。ニヤニヤしながら楽しそうに喋るのよ。」



だから眼帯を見ても普通だったのかと納得しながら、少し嬉しくなった



「先輩には迷惑かけっ放しで…申し訳ないです」



「いいのよ。迷惑なんて思って無いだろうし。…あ、柊城のせいでケガさせちゃったみたいでごめんなさいね。それで済むとは思って無いけれど、これ貰って。お詫び。すぐに渡せなくて申し訳ないわ」



悲しそうに小さめの箱をこちらに差し出した



「いえいえ、傷も消えかかってますし大丈夫です。わざわざお気遣いありがとうございます。お気持ちだけ頂きます。」



頭を下げてコートを羽織ると、箱を強引に持たされた



「柊城が、選んだのよ。好みに合わなかったら申し訳ないけど…。貰ってあげて。」



少し笑って言われた



ありがとうございますと深く頭を下げてから、喋りながら部屋に戻った