お参りをした後、先輩が


「おみくじ行こうか」



そう言って、手を引っ張られた




今年の運を元旦で使い果たしたのだろうか




「大吉だー……」



「まじー?俺もなんだけど」



先輩はヒラリと紙を見せて、笑った



おみくじを全て信じている訳じゃないけど、なんだか嬉しかった



何かが起こるのかなと、期待した



紙を結ぶか迷ったけど、先輩と同じって事が嬉しくて財布の中に入れた



先輩も同じように財布に入れていた



「帰ろっか」



手を差し出された



指先を軽く握ると、先輩が手同士が触れ合うように繋ぎ直した



赤い着物で眼帯の私は目立つらしく、色んな人に見られた



小さな女の子に、


「私もあの子の着物欲しい!」



そう言われたのは嬉しかった



やっぱり元旦に運使い果たしたのかな



それでもいいやと思えたのは、先輩がいたからだろう