なんであんな奴が母親なのか



他の子のお母さん、いいなぁ




お気に入りのワンピースに大量の涙の跡が付いた


こんな時、先輩と出かける勇気があったらなぁ




なんて自分は弱いんだ




泣きながら先輩に電話した



泣きやもうと頑張ったけれど、無理だった




「もしもし」



「もしもし、冴川ちゃん?…どうしたのー」




「ごめんなさい、今、母から電話が入って行かなければならなくなって…」



ぐずぐずの声が聞き取れただろうか



「……そっかー。仕方ないよね。…また何かあったら誘ってもいい?」




なんでこんなに優しいんだろう



「はい、お願いします。…本当にすみません。失礼します」



「うん。じゃぁね」