瓦礫の下に君がいる

近くにいすぎて気づかなかったとかじゃない。


僕はふみの悲しみとか苦しみとかを見ようとしていなかったんだと思う。


そうでなければ、子供の姿のままとまってしまっているふみに、このままで良いなんて思えたはずがないのだ。
 

次に会った時、ふみはどんな姿をしているだろう。


きっと美しく成長しているに違いない。


僕はそれを遠くから見るしかないのだ。


見守るなんて言えば聞こえは良いけれど、きっとこれからもふみの心には入れなくて、ただ見ているしかないのだ。


「たける」
 

次に続く言葉がわかった気がした。


「ふみは俺がもらうんだ」
 

そうだな。目をつむると、瓦礫の下で泣いているふみを抱きかかえている京介の姿が浮かんだ。