『ねぇ昼ご飯
学食で食べよっか。』

おれは自転車にかけていた
鍵をあけながら
顔は上げずに答える。

『おれは別にいいよ。』


『けいはいつもそれだね。』

りさが笑って言う一言でやっと
おれは徐々にいつも通りの
会話をできるようになる。


『ねぇ信二とあやか
学食にいるかな?』

『いるだろ。
あいつらが学食いない日なんて
ないだろ。』

『それもそぉだね。』



りさを後ろの乗せて
学校まで自転車をこいでいく。


夏の制服は汗で
下のTシャツが透けるほど
濡れている。

そのシャツをりさは
両手でしっかりと
掴み横向きで後ろの座る。


時々吹く風がやけに気持ち良く
おれは学校まで快調に
自転車を走らせる。