手を合わせ目を瞑った
りさの横顔を見て
おれはそんなことを
思い返していた。




『行こっか。』


りさの一言で
おれは我に返る。

笑顔でりさはおれに
手を伸ばす。



自転車を置いている場所まで
無言で歩く。
手はつないだまま。


いつもこの時
おれは言葉につまる。

何を話せばいいか
分からなくなる。

そして決まって
それを察してか
りさから話し掛ける。