「お前が、7人しかいない守護者の1人だったとはな。」



感心したような声でそう言いながら、彼は音を立てることなく、地面へと舞い降りた。



人間とは思えないほどの整った顔立ちをした、上品な黒いスーツを着こなす男。



楽しげな表情を浮かべているけれど、彼の纏っている雰囲気は、限りない闇で満ちていた。



それは人間というよりも、まるで……



「……あなた、上級悪魔ね?」



止めどなく溢れ出てくる赤い液体を押さえながら、目の前の男をじっと睨みつける。



そんな私を見て、笑みをより深くしながら、彼は静かに口を開いた。



「ご名答、俺は上級悪魔の黒斗だ。よろしくな……?」



神崎一族の守護者、と言って、自分の事を黒斗(クロト)と名乗った悪魔は、ゆっくりと頭を下げた。


その光景を冷めた瞳で見つめながら、小さく溜め息をつく。



「貴方の目的は、何?」



「んー…それは企業秘密、ということで。」



右手の人差し指をスッと唇に寄せながら、彼は妖艶な笑みで微笑んだ。





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