「守護者の中にソイツは必ずいるはず……だから、」
そこで言葉を止めて、狂ったように笑い出す女に、静かに一歩身を引いた。
「だから、ただでは殺されてあげないわ。」
言うなりザザッと地を蹴ったような音がして、私は勢いよく背後を振り返った。
「…っ…なっ…!」
「どう?可愛いでしょう。」
お気に入りなのと相手が指差した先には、ぐわっと口を大きく開けて襲いかかってくる醜い化け物。
それにゆっくりと手のひらを向けて、詠唱を唱えようと口を開いた瞬間、それはパンッと音を立てて弾け飛んだ。
「何が起きたの、」
「あなたはそんな事考えてる暇はないんじゃなくて?」
「ひぃっ……!」
陣によって動けない悪魔の元へ向かうと、私は手のひらに灯した赤い光を放って、消えていくそれを見届ける。
.
