これから、どうしようか……。



そう心の中で呟いて、渡り廊下に足を踏み出した瞬間、背後から聞こえてきた、パリンッという音に、勢いよく振り返った。



「……なっ!」



振り向いた先には、無残に割れた1枚の窓ガラス。



何が起きたのか分からないと、困惑したような男子の声や女子の悲鳴が飛び交う中、私はキッ、と窓の外を睨みつけた。



「何てこと、してくれんのよ……。」



アンタ、と怒りに震えた声で呟くと、空中に浮かぶ彼女は、とても楽しそうに口元を緩ませる。



「……化け物がっ!」



そう憎々しげに吐き捨てると、その悪魔が「早くして」と口を動かしたのに、私は瞳を見開いた。



チッと舌打ちをこぼして、走り出す。



その後ろから、相手が無言で追いかけてくるのを感じながら、強く、唇を噛み締めた。



「何なの、あいつは……」



ポタリ、と額から落ちてくる汗に眉をしかめながら、私は少しだけ後ろを振り返った。



やっぱり他の守護者達を呼んできた方が良かったのかも知れない、と思ったが、私はその考えを取り払うように、大きな溜め息をついた。



例えば、あの時、誰かを呼んでいたとしても利点は得られていないはず。



それどころか、この悪魔がそれを阻止しようと、これ以上の被害を出していた可能性だって無いとは言えない。






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