「気配を消してるけど、他の守護者に見つかりたくないのかな?」
いつもと少し違う悪魔の様子に、小さく頭を傾げる。
この事を関係者に報告しようとしても、残念ながら、同じ階にいるのは奏也様だけだ。
守るべき主人をわざわざ危険に晒すようなバカな真似はしない。
他の守護者達は、学年もバラバラだし、風香に至っては校舎までもが違うから、自分で解決するしかない。
それにしても、だ。
「……私に何の用があるっていうの?」
チラリと窓の外を見てみれば、明らかに追いかけている影がある。
もしも、奏也様に用事だったのならば、正当後継者だし、理由も分かるけど。
ただの神崎一族の守護者を狙うなんて、殺されにきてるようなものだ。
「うーん……。」
学校では優等生で通っている私が、顎に手を当てて唸る姿が珍しいのか、不思議そうに首を傾げている人に気づきつつも、特に気にしない。
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