「お前はよくても、俺は無理」






何言って…?







「俺が本当に遊びだと思った?」





梶原くん…?








「初めから、お前だけの問題じゃねぇんだよ」







梶原…くん…?








ふわりと体が浮いた気がした。


















「好きだ」

















ぎゅっと抱き締められる









掴んでほしかったその腕に








何度も願ったその腕に










何度も手を伸ばした梶原くんに




















耳に届いた












甘く切ない言葉












「……梶原くん?」










そう呟いた私に
そっと梶原くんが
唇を重ねた。

















「梶原くん、私…」







私…







「好きってことだろ?」







え?






「ココ痛いんだろ?」








自分の胸をトンッと叩いた梶原くん







私は小さくうなずいた。









「優美、愛してる」









私と梶原くんの影が重なった。