私は旦那さまにお仕えするためにわざわざ造られましたロボットです。
名前はまだありません。 旦那さまに命名させるとのことなのでまだ付けてないそうです。
私はロボットなので心がありません。
喜怒哀楽全て無いのです
だから泣きたいと思うことも一切ありません。
お笑い見せられたって笑えません。
むしろ笑おうとしても笑うことが出来ないのです





そんなある日やっと旦那さまと御対面する日が来ました。

コンコンッ
「入って下さい。どちらさまですか??」
「あ、あのっ今日から旦那様にお仕えさせていただきます、ロボットA204です。」
一応製造ナンバーを言いました。
「おっやっときたか。待ってたよ。名前も決めたしっ」
ドアの向こう側で旦那様が笑っている気がしました。なんだか自然に頬が緩んできました。
「廊下は寒いでしょ??入りなよ。」
旦那様が親切にドアを開けてくれました。
「あ、ありがとうございます。」
旦那様がじっと私を見てきました。何かと思い、聞いてみました……。
「あ、あの……どこか変ですか??」
旦那様は微笑みながら
「なんか……可愛くて…」
旦那様は顔を真っ赤にして言いました。
私までつられて真っ赤になりそうでしたが、誰かの声でふと我に返りました。
「淳〜」
甘い声がしたと思い振り返ると、お嬢様が立っていました。
「し、失礼いたしました。お嬢様。」
私はそういい、走り去りました。
旦那様は心配そうな顔をしていましたがそのままお嬢様のお話へと入り込んでしまいました。
私はなんだか泣きそうになりましたが涙が出ませんでした……。そうでした…私はロボットなのでした。


私達はサイテーな出会い方をしてしまったのです