そこには、手に拳を作った玲が怒りを露にして立っていた。
「玲くん!」
「なにしてんだよハルカ。」
「痛いじゃん。馬鹿。」
「……馬鹿はお前だろーが!お前に俺らの……恋の気持ちがわかんのか?」
「わかるよー?友達売って、平然としていられる理由でしょ?ズバリ、姫さんとはそれほど深くない友情で……」
ゴンッ!!!
また鈍い音が鳴る。
さっきのゲンコツよりも痛かったのか、涙目になりながらハルカは玲を睨む。
「いったー!!」
「恋が平然としてる?お前、恋の何見てんだよ。どうせ表面だけしか見てないくせに、分かったように話すな。」
