「恋、初対面の人と話すの好きなの。よろしくね、葵。」 「……よろしく、矢野恋架さん。」 私は人と仲良くするのは嫌い。 それこそ感情を作りたくないからよ。 遊里さん以外ではDollの社員達数人としか喋らないもの。 ガラッ 「おーい、全員いるかぁ。」 いきなり入ってきた教師っぽい男に、みんな慌てて席に着く。 矢野玲汰は中学からそうだったのか、席を動こうとしない。 みんなもそれを知って、矢野玲汰の今いる席に本来座るべき人は矢野恋架の前に座っている。