「なっ…!」 感覚は麻痺してきたが、まだ痛みは感じる。 葵はそれで、自分の意識を取り戻そうとしていた。 「……うん、まだ動くわ。」 「あ、ありえない!自分を斬るなんて…。」 「こんな奴、初めてだ…。」 「私は…負けるわけにはいかないの。」 葵は自分の頬を掠った毒の塗ってあるナイフを玲へと投げ返す。 そのスピードはとても速く、玲は少し横にずれるので精一杯だった。 「つぅ…!!」 玲の腕を、ナイフが掠る。