「助け、て…!助けてぇぇええぇぇえぇ!!」

「…無駄よ。誰もあんたを助けになんて来ないわ。」

「ごめんなさいっ…!なんでもするからっ!殺さないでぇぇ!!」

「…煩い。」

「ぎゃっ!!…う、ぐぅ…!!!」


人気のない路地。


聞こえるのは女の悲鳴と少女の声。


少女は黒いパーカーのフードを深く被ってるから顔は見えない。


手には紅く染まったナイフ。


少女が高くジャンプをしたかと思うと、両脇の壁を交互に蹴りながら上へと上がっていく。


フードについている、長い兎耳が揺れる。