いつも手をつないで帰るあたし達。 翔くんの手はあたたかい。 無言で歩く2人。 毎日こんな感じだ。 何も話さなくても、この時間があたしにとって幸せだった。 「…なぁ、あいつ、何なの?」 …あいつ? ………もしかして原田竜也のこと? 「あの人は…ただしつこいだけ」 「あいつに名前で呼ばせてんのか」 「え、…いや、なんか勝手に…」 「もう名前で呼ばせるな。 お前のこと名前で呼んでいいの、俺だけだから」 「…うん!」