「菜美、帰るぞ」 「あっ、翔くん! ちょっと待ってて」 あたしは急いで帰る支度をする。 「菜美ー! また明日なー!」 「…じゃあね」 そっけない返事を原田竜也にして、翔くんの元へと向かった。 翔くんとは、あたしの彼氏。 ルックスはまぁまぁ。 成績も運動もまぁまぁ。 女子から人気があるか、 って聞かれてもまぁまぁ。 何もかもが普通の翔くん。 でもそんなの別にどうでもいい。 あたしは翔くんの性格が好きなんだから。