「だからここはこうだってば!」


「あー、そういえばさっき教えてもらったなー」


「同じこと何回も聞かないでよ、もう」


「わりぃわりぃ(笑」


あたしは今なぜか原田に勉強を教えています。

あの後原田にいろいろ言われて、
「あー、そっかー」なんて納得した自分がいけなかった。


「ここは?」


「これは~……」


「ああ! そういうことか。
 お前頭いいなー」

そう言ってあたしの頭に手を置いて、くしゃくしゃとした。


「や、やめてよ!」

手を振り払って大きな声で叫ぶ。


「なーに照れちゃってんのー?
 菜ー美ちゃーん」


「は、はぁ!? 照れてなんかないしっ。
 ほら、勉強して、勉強!」


「わーかったから(笑
 けど顔真っ赤だけど?」


「うっさい!」


でもちょっとどきどきしたあたしがいた。

もしかして…好き?


ちがうちがう!
原田じゃなくてもドキドキしたはず!

自分にそう言い聞かせた。