「お目覚めですか?坊っちゃま」


その女性は少年にそう呼びかけて近づいて行く
女性は少年の事を知っている様だが少年は女性の事を知らないのかじっと見つめている


「………誰……?」


少年の口から出たその声は透き通っており少女の様な声質だった


女性は少年に近付いて少年の目の前で立ち止まり片膝を立てて跪いた


「初めまして、私は “藤宮 桜花” と申します」


「あっ、初めまして俺は…俺は…誰なんだろう…?」


「貴方様は “藤丸蓮” と言う御名前でございます」


藤宮桜花と名乗る女性は跪いたままそう口にした