坂の下に、自転車置き場がある。 ひろやはチャリ通だけどあたしは歩き。 だからひろやは、自転車を押して、あたしに合わせてくれる。 あたしが恋人つなぎにつながれた手を強くにぎると、ひろやもぎゅっとにぎりかえしてくれる。 そして、目だけ動かしとあたしを見て微笑んでくれる。 そんな一時が、本当に幸せだと思う。