カベの向こうの女の子



ピンク色のキャラクターものの筆箱と綺麗なノート



背筋をピンと伸ばして、そのノートに綺麗な文字が並んでいく




シャーペンの頭の先につけられたキャラクターが、文字をかくたびに揺れていた



林道は黒板とノートを交互に見ながら、またノートを埋めていく



真剣な真顔の表情は、普段笑顔な彼女とギャップがあって新鮮に感じた



そんなに綺麗なノートを書いてたら、成績もよくなるわな



俺はそう思って、つくづく林道を尊敬した



林道の周りにいる女子は、今時のギャルっぽいタイプが多く、それゆえ授業も対して聞かない馬鹿が多い



でも林道は違った



見た目は今時なのに、中身は古風で、今時珍しい、芯のある女子だった



最近になって、また林道の人気は爆発的に上がっているらしい




それは彼女のそういうところと、性格が良いところが理由なんだろう



俺は推測していた




かわいい女の子ってのは、何かと噂が付き物だ



悪い噂もあった



悪いとはいっても、聞く人の価値観によるが…



それは、林道があの1つ上のチャラ男のヤンキーと親しくしているという噂だった