カベの向こうの女の子


俺も例外ではなかった



彼女の気さくさとかわいらしさは、俺も好感が持てた



それになにより、タイプだった




だから彼女の隣の席に決まったときは、舞い上がるくらいに嬉しかった



千秋が羨ましそうに俺を見た顔が、おかしかった











その日はじっと教室で授業を受けているのが、馬鹿馬鹿しくなるくらい、天気の良い日だった



俺は当たり前のように授業はそっちのけで、机の下に漫画を隠して読んでいた



授業より友達に貸してもらう漫画のほうが、よっぽどワクワクして楽しい



その頃話題になっていた漫画の一冊を読み終えて、俺は小さくため息を吐いた



授業中に漫画を読み終えた達成感と、次の展開への期待で胸がいっぱいになる



充実…



俺は頭で呟いてから、チラリと黒板を見た



今は英語の授業だ



教室はわりと騒がしい



英語担当の教師は怒ることは少なく、生徒からなめられていて授業中、真面目に授業を受けている生徒は少なかった



俺はそれから次の巻を机から取りだしながら、隣の机を覗き見た