カベの向こうの女の子



頭を抱えると髪が湿っているのに気づいた



風呂から出たあと乾かさずにここまで来たからだ



俺はロングヘアーのほうに目を向けて言った



「また、俺のこと、はめたのか」




ロングヘアーは途端に顔を険しくする



「違うってば!あいつの勘違いよ」



「須釜のこと?」



ロングヘアーはこくりと頷づく




俺はため息を吐いて、床を見つめた



なんか、拍子抜けした



事態がよくわからない



ただ、疲れた




「大丈夫なん?」



俺はそう言って、ロングヘアーを見た



実際にぴんぴんしてるから、この心配はただのうわべだ



でも、春菜じゃないからって、さっさと帰るわけにもいかない



「大丈夫」



ロングヘアーがそう言ったから、俺は立ち上がった


事態は掴めないままだったけど、聞く気が起きなかった



俺が部屋からでるとロングヘアーもぎこちなく着いてきた



隣の部屋では、須釜がソファーに手をついて立ち上がろうとしていた




なんと、早いお目覚めで