カベの向こうの女の子




俺はあいつの思惑通り黙っちゃいなかったわけだ



亮太も「いい機会かもな」なんて言って、自然な笑みを見せていた












それで最終的には千秋の敵討ちに成功したわけだ



そのあと、たまに須釜を見かけると、須釜は恨めしそうに俺達を見てきた




だけど喧嘩する前より、あいつはますます滑稽に見えた



おかしくて仕方なかった



特に喧嘩直後のガーゼだらけの顔面をみるたびに、千秋と亮太と腹を抱えて笑ったもんだ











まさかあの時のことか




いまだ根に持ってる…とか




それでいまさら復讐?



でももう昔の話だ



いくら憎いからって、いまさら何を…、馬鹿馬鹿しい


でも他に心当たりはないし、ネチっこいあいつなら、あり得ないこともないか



しかし、あいつ、今は大学生かはたまた社会人…まぁニートってこともあるだろが




いい年して何やってんだか